小児糖尿病(1型糖尿病)とは

 

小児糖尿病とは,小児期に発症する糖尿病です。そのほとんどが,1型糖尿病です。

1型糖尿病は、大人の糖尿病(2型糖尿病)とは違います。

2型糖尿病は生活習慣病と考えられ、体質や運動不足、食事の取りすぎによる肥満などから起こりますが、1型糖尿病は、食事や運動はまったく関係がありません。

血糖値を下げるホルモンは一つで、インスリンといいます。インスリンは膵臓で産生され、血液中の糖分を肝臓、筋肉、脂肪に取り込む大事な働きをするホルモンです。特に成長期にはとても大事なホルモンです。1型糖尿病は、これが少なくなったり分泌されなくなったりするため血糖値が上昇してしまいます。そのままでは,高血糖状態から脱水となり、脂肪が分解し、ケトン体が産生されることから、糖尿病性ケトアシドーシスを引き起こし,意識がなくなるような危険な状態になります。

 そこで、1型糖尿病の治療では、血糖値を100前後と正常の人と同じくらいに保つようにインスリンを注射します。もし、思った以上に動いたときや、インスリンの量が多くなると血糖が低くなること(低血糖)があります。初めに冷や汗、手のふるえ、動悸などの自覚症状がでますので、その段階で、糖分の補食(お菓子、ジュースなど)をとるようにすれば問題ありません。

 常に良好な血糖状態を保つためには、指先等に針を刺し、こまめに血糖を測定する必要があります。食事や血糖に合わせてインスリンの量を考えることも必要です。

発症して間もない患児や親御さんは、血糖コントロールに気を配る必要があるため,精神的な負担も強いと思います。しかし、血糖測定をしながら,インスリンを上手に注射することを覚えていくと、友達と同じように学校で勉強したり、運動したり、給食も普通に食べることもできます。

 ことのうみの会では、会員みんなで、「自分の今までの生活習慣にあわせてインスリンを上手に打って、糖尿病を克服しよう!」を合言葉に、活動を続けています。

 

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